革財布の手入れ方法|頻度・道具の選び方から6ステップまで写真と動画で解説

革財布の手入れをしたことがないと、

「どうやって手入れをしたらいいのか」

「どれくらいの頻度でやればいいのか」

「道具は何を揃えればいいか」

わかりませんよね。

 

そこでこの記事では、本革財布の手入れ方法を、動画と写真を使って詳しく解説します!

 

手入れをしたことがない方でも、記事の通りに進めていくだけでOKです。

 

写真と動画を見ながら、自分の財布に置き換えて読んでみてください。

>>革の経年変化が見れる財布のレビュー記事 一覧はこちら

 

目次

財布の手入れ、どのくらいの頻度でやればいい?

結論から言うと、クリームを使った本格的な手入れは2〜3ヶ月に1回で十分です。

 

毎日やる必要はありません。

 

むしろ、やりすぎるほうが革を傷めます。

 

ただし「乾拭き」だけは話が別です。

 

こちらは気づいたときにサッとやるくらいの感覚で構いません。

 

目安は2〜3ヶ月に1回。ただし使い方で変わる

手入れは大きく2種類に分かれます。

 

頻度もそれぞれ違います。

手入れの種類 内容 頻度の目安 かかる時間
日常のケア 乾いた布で乾拭き 気づいたときに 30秒
本格的なケア ブラシ+クリーム+防水スプレー 2〜3ヶ月に1回 5分前後

なぜ2〜3ヶ月なのか。

 

理由は「革が乾く速度」にあります。

 

革は毎日手で触ることで、手の脂が少しずつ移ります。

 

この脂がある程度は革を守ってくれます。

 

ですが、それだけでは足りません。

 

革の内部の油分は、時間とともに確実に抜けていきます。

 

抜けきる前に補うのが、クリームを使った手入れです。

 

判断に迷ったら、頻度よりも革の状態を見てください。

 

  • 革の表面がカサついて見える
  • ツヤが落ちて、くすんできた
  • 触ったときに、しっとり感がない

このどれかに当てはまったら、カレンダーが何ヶ月目だろうと手入れのタイミングです。

 

実測|ブライドル8年・マットーネ7年、実際の頻度と今の状態

マットーネラージウォレット

先に、正直なところを書きます。

 

私自身、2〜3ヶ月に1回を守れていません。

 

やろうと思っていても、気づいたら半年経っています。

 

同じような方は多いはずです。

 

なので、ここでは理想論ではなく「実際にこのくらいのペースで使ったら、何年もったのか」を、使い込んだ2つの財布でお見せします。

 

先に結果だけまとめると、こうなりました。

 

マットーネラージウォレットのビフォーアフター

 

財布 使用年数 実際の手入れ 今の状態
ブライドルグランドウォレット 8年 半年に1回クリーム 傷みが進み、処分予定
マットーネラージウォレット 7年 乾拭きのみ。クリームは2年なし 今もきれい

手入れの回数が多いほうが、先に寿命を迎えました。

 

意外に思われるかもしれませんが、ここに財布の手入れでいちばん大事なことが出ています。

 

順番に説明します。

 

ブライドルグランドウォレット|8年使用

ブライドルグランドウォレット|8年使用

項目 内容
使用年数 8年
手入れの頻度 半年に1回
現在の状態 傷みが目立ってきて、そろそろ処分する予定

半年に1回のペースでも、8年は使えました。

 

これは事実です。

 

ただ、8年目でついに限界が来ました。

 

革の傷みが戻せないところまで進み、買い替えを考えています。

 

ここが正直な結論です。

 

半年に1回でも財布は長く使えます。

 

ただし「長く使える」と「きれいなまま使える」は別の話です。

 

もっとこまめに手入れをしていれば、もう少し延びていた可能性は高いと思っています。

 

私が2〜3ヶ月に1回をおすすめしているのは、自分がサボった結果を実物で見ているからです。

 

>>ブライドルグランドウォレットのレビューはこちら

 

マットーネラージウォレット|7年使用・夫婦の共有財布

こちらは、今も現役です。

マットーネラージウォレット|7年使用・夫婦の共有財布

 

項目 内容
使用年数 7年
使い方 夫婦で共有し、毎日使用
手入れの頻度 クリームを使った手入れは2年ほどしていない。乾拭きだけは続けている
現在の状態 問題なく使用中。革もきれいな状態

条件だけを見れば、こちらのほうが過酷なはずです。

 

夫婦で共有しているので、出し入れの回数がそのまま2人分になります。

 

それなのに、クリームを2年サボっても、7年経った今もきれいなままです。

 

なぜマットーネだけきれいなままなのか

理由は2つあるんじゃないかと思っています。

 

1つは、革そのものにオイルがたっぷり入っていること。

 

マットーネは、革を作る段階でオイルをたっぷり含ませているタイプの革です。

 

芯の部分にオイルが入っているので、外からクリームを足さなくても、内側から油分が回ってくれるんですよね。

 

もう1つは、手の脂です。

 

夫婦で毎日触っているので、そのぶん手の脂が革に移り続けています。

 

これも多少は効いていると思います。

 

※どちらも私の推測です。

 

革の中身を分析したわけではありません。

 

この2本から言えること

大事なのは、頻度そのものよりも「自分の財布がどっちのタイプか」です。

 

  • オイルが入っている革(マットーネなど) → クリームは少なめで大丈夫。乾拭き中心でもいける
  • ロウ仕上げの革(ブライドルなど) → クリームより、ブラシと乾拭きをこまめに

そしてもう1つ。

 

どちらの財布も、乾拭きだけはやめていません。

 

「2年クリームを塗っていない」と書きましたが、何もしていないわけではないんです。

 

乾拭きは続けています。

 

結局、いちばん効いているのは、この地味な作業なのかもしれません。

 

だからこの記事では、クリームより先に「乾拭きは気づいたときに」とお伝えしています。

 

自分の財布がどのタイプかは、後半の革の種類別セクションで確認してみてください。

 

>>マットーネラージウォレットのレビューはこちら

 

使い方・季節別の頻度早見表

同じ2〜3ヶ月でも、使い方や季節で前後します。

 

目安として使ってください。

 

状況 頻度の目安 理由
毎日持ち歩く 2ヶ月に1回 摩擦と汗で油分が抜けやすい
週に数回だけ使う 3〜4ヶ月に1回 消耗がゆるやか
ほぼ使わず保管中 半年に1回 使わなくても乾燥は進む
梅雨・夏(高温多湿) クリームは控えめ 湿気が多く、油分過多はカビの原因になりやすい
冬(乾燥する季節) いつもより早めに 空気が乾き、革も乾きやすい
買ったばかりの新品 使い始める前に1回 表面を保護してから使い始められる

特に見落としやすいのが「使っていない財布」です。

 

引き出しにしまったままでも、革は乾きます。

 

使っていないから大丈夫、とはなりません。

 

やりすぎは逆効果(クリーム過多・カビのリスク)

革の手入れ

手入れは、頻度を上げれば上げるほど良いものではありません。

 

クリームを塗りすぎると、次の3つが起きやすくなります。

 

  1. 革の表面がベタつく — 余分な油分が表面に残り、ホコリを吸い寄せます
  2. 色ムラ・シミになる — 塗った部分だけ色が濃くなり、まだらになります
  3. カビの原因になる — 油分と湿気がそろうと、カビの栄養になります

特に梅雨から夏にかけては要注意です。

 

この時期にたっぷりクリームを塗って、そのまま風通しの悪い場所にしまうのが、いちばん危ない組み合わせです。

 

私の感覚では、クリームは「足りないかな」くらいがちょうどいい量です。

 

足りなければまた塗り足せますが、塗りすぎたものは簡単には戻せません。

 

 

財布の手入れ方法【写真と動画で6ステップ】

道具がそろったら、実際の手入れに入ります。

まずは動画でご覧ください。

全体の流れが2分ほどでつかめます。

とても簡単ですよね。

この手入れ方法は、財布以外の革製品にもそのまま使えます。

名刺入れ、キーケース、鞄、小銭入れ、ブーツ、ジャケットも同じ手順です。

※スエードやヌバックなど、起毛した革だけは方法が変わります。

後半で解説します。

ここからは、同じ手順を写真で1ステップずつ見ていきます。

 

1. 財布全体をブラッシングする

まず、革全体にブラシをかけてホコリを落とします。

財布全体をブラッシングしてホコリを落とす

細かく硬いゴミを先に飛ばすことで、次の乾拭きで革を傷つけずに済みます。

 

特に忘れやすいのが、縫い目とマチの折り返し部分です。

 

ここにホコリがたまります。

 

財布ならそこまで神経質にならなくて大丈夫ですが、ブーツやレザージャケットではこの工程が特に重要になります。

 

砂や小石を落とさないまま拭くと、革に傷を入れてしまうからです。

 

2. 革の表面を乾拭き

ブラシをかけたら、乾いた布で表面の汚れを落とします。

革財布の表面を乾いた布で拭く

力を入れる必要はありません。

表面をなでるくらいで十分です。

 

 

3. 革にクリームを塗る

柔らかい布に、1円玉くらいの量のクリームを取ります。

柔らかい布で革財布にクリームを薄く塗る

布の上でよく伸ばしてから、革全体に染み込ませるように塗っていきます。

ポイントは「薄く、広く」です。

 

1ヶ所にまとめて置くと、そこだけ色が濃くなります。

クリームを手で直接塗る方もいますが、私は指がにおうのが気になるので布を使っています。

 

指で塗っても布越しでも、効果は同じです。

塗り忘れやすいのは、マチの内側と、折り曲げる部分です。

ここは最も乾燥しやすく、いちばんヒビが入りやすい場所でもあります。

 

4. 革全体にブラシをかける

全体に塗り終わったら、もう一度ブラシをかけます。

クリームを塗った革財布全体にブラシをかける

目的は、縫い目や革のシワに溜まった余分なクリームを飛ばすことです。

ここを飛ばすと、後でその部分だけ白く浮いてくることがあります。

 

5. 財布全体の乾拭き

ブラシで余分なクリームを落としたら、仕上げに乾拭きします。

革財布を乾拭きしてツヤを出す

ここまでで、だいたい5分くらいです。

乾拭きの回数を増やすほど、ツヤが出てきます。

時間があるときは、少し多めに磨いてみてください。

 

6. 仕上げに防水スプレー

最後に防水スプレーをかけます。

革財布に防水スプレーをかけて仕上げる

防水スプレーをかけておくと、革に水シミができにくくなります。

必ず屋外か、換気した場所で。

20〜30cm離してかけてください。

スプレーが乾いたら、手入れの完了です。

なお、この手順で手入れをしたラウンドファスナー長財布は、こちらでレビューしています。

>>マットーネラージウォレットのレビューはこちら

 

 

時間がない人向け|3分でできる簡易ケア

「6ステップは面倒だけど、何もしないのは気になる」という方向けの短縮版です。

手順 内容 時間
1 ブラシで全体のホコリを落とす 30秒
2 乾いた布で全体を拭く 1分
3 気になる部分にだけクリームを薄く塗る 1分
4 布で軽く磨く 30秒

これだけでも、何もしないのとは大きく違います。

特に、財布の角と折り曲げる部分だけでもクリームを入れておくと、ヒビの入り方が変わってきます。

「完璧にやろうとして、結局やらない」がいちばんもったいないパターンです。

 

 

財布の手入れにおすすめのクリーム・ブラシ

ここまで読んで「結局どれを買えばいいのか」と思われた方向けに、実際に使っているものを紹介します。

初めての1本ならコロニル

革財布の手入れに使うコロニルのブラシ

私が使っているのは、コロニルというドイツメーカーの革用クリームです。

革財布の手入れに使うコロニルのクリーム

10年以上前に、自分で財布やカバンを作ってしまうほど革製品が好きな先輩から教わりました。

それ以来、ずっとこのメーカーのクリームを使い続けています。

使い続けている理由は、塗った後の革の表情が他と違うからです。

うまく言葉にしにくいのですが、「乾いた革が生き返った」という感じの艶と質感が出ます。

塗った直後よりも、少し時間が経ってからの落ち着き方が好みです。

デメリットは、クリームとしては値段が高いことです。

ただ、財布以外の革製品全般に使えます。

名刺入れ、キーケース、小銭入れ、ブーツ、レザージャケットまで、これ1つでまかなえます。

最初の1本で迷うなら、これを選んでおけば失敗しません。

※コロニルは偽物が出回ることがあるようです。

購入する際は、正規品の販売店で注文してください。

ブラシは馬毛・豚毛どちらを買うべきか

繰り返しになりますが、財布のためだけに買うなら馬毛ブラシ1本で十分です。

こんな人 おすすめ
財布・名刺入れだけ手入れしたい 馬毛1本
革靴やブーツも手入れしたい 馬毛+豚毛の2本
とにかく安く始めたい 馬毛1本+Tシャツの端切れ

私が使っているのは、コロニルの馬毛ブラシと豚毛ブラシです。

クリームと同じメーカーでそろえているだけで、深い理由はありません。

ただ、道具選びで悩む時間がなくなるので、結果的にはよかったと思っています。

 

 

なぜ財布の手入れが必要なのか

手入れの意味は「きれいに保つこと」だけではありません。

 

財布の寿命そのものが変わります。

 

手入れをしないとどうなるのか

革は、もともと動物の皮です。

 

加工されていても、油分が抜ければ硬くなります。

 

手入れをしないまま使い続けると、こうなっていきます。

 

段階 起きること
初期 ツヤが落ちる/表面がカサつく
中期 折り曲げる部分が硬くなる/小さなヒビが入る
後期 ヒビが深くなり、革が裂ける/色が抜けてまだらになる

厄介なのは、ヒビが入ってからでは元に戻せないことです。

 

乾燥は途中で止められますが、割れた革はクリームでは埋まりません。

 

だから、割れる前に油分を入れておく必要があります。

 

手入れをするとどう変わるのか(経年変化)

マットーネラージウォレットの経年変化

一方、手入れを続けた革は「劣化」ではなく「変化」の方向に進みます。

 

これがいわゆるエイジング(経年変化)=使い込むほど色とツヤが深まっていく現象です。

 

具体的には、こう変わります。

 

  • 色が少しずつ濃く、深くなる
  • 表面に自然なツヤが出てくる
  • 手に馴染んで、質感がやわらかくなる

同じ革でも、手入れをしたものとしないものでは、数年後の見え方がまったく違います。

 

手入れは「維持するための作業」ではなく、「育てるための作業」だと考えるとしっくりきます。

 

実際、7年使っているマットーネの財布は、夫婦で毎日使っているのに今もきれいなままです。

 

特別なことはしておらず、乾拭きを続けているだけです。

 

効果を実感したいなら、まずブーツで試すのが早い

これは私の経験からの提案です。

 

手入れの効果がいちばんわかりやすいのは、実は財布ではなくブーツです。

 

理由はシンプルで、靴は外で履くから確実に汚れるからです。

 

汚れているものがきれいになるので、手入れ前と後の差が一目でわかります。

 

財布は毎日ポケットやカバンの中にあるぶん、変化がゆるやかです。

 

だから手入れをしても「変わった気がしない」と感じやすいのです。

 

もし革靴やブーツをお持ちなら、財布より先にそちらで試してみてください。

 

同じ手順・同じ道具でできて、効果は財布よりはっきり出ます。

 

一度その変化を見ると、財布の手入れも続けやすくなります。

 

財布の手入れに使う道具と、その選び方

ここが、いちばん質問をもらう部分です。

 

必要な道具は4つだけです。

 

全部そろえても、思っているほどの金額にはなりません。

道具 役割 必須度
ブラシ ホコリを落とす/クリームを伸ばす ◎ 必須
クロス(布) 乾拭き/クリームを塗る ◎ 必須
クリーム 革に油分と保湿成分を入れる ◎ 必須
防水スプレー 水シミを予防する ○ あると安心

ブラシ|馬毛と豚毛、財布にはどっち?

革用のブラシは、大きく馬毛と豚毛の2種類です。

 

毛の硬さがまったく違います。

 

種類 毛の硬さ 得意なこと 価格の目安
馬毛 やわらかい ホコリ落とし、仕上げのツヤ出し 1,000円台〜
豚毛 硬い(コシがある) クリームを革に伸ばし込む 1,000円台〜

結論:財布に1本だけ買うなら、馬毛ブラシです。

 

理由は3つあります。

 

  1. 財布は靴と違って、泥や砂がつくことがほぼない
  2. やわらかい毛なので、繊細な革を傷つけにくい
  3. ホコリ落としと仕上げのツヤ出しを1本で兼ねられる

豚毛が必要になるのは、クリームをしっかり塗り込みたいときです。

 

硬い毛が革の目にクリームを押し込んでくれます。

 

ただ、財布サイズであれば、クリームは布で塗って馬毛で整えるだけでも十分に仕上がります。

 

2本目を買うタイミングは、革靴やブーツの手入れも始めたときで構いません。

 

ちなみに私は、コロニルの馬毛ブラシと豚毛ブラシを両方使っています。

 

財布やバッグには馬毛、革靴にクリームを塗り込むときは豚毛、という使い分けです。

 

クロス|何を使えばいい?

高いものは必要ありません。

 

着なくなった綿のTシャツを切ったもので十分です。

 

私も、実際にTシャツの端切れを使っています。

 

選ぶときのポイントは2つだけです。

 

  • 綿(コットン)を選ぶ — 化学繊維は革の表面をこすりやすい
  • 毛羽立っていないものを選ぶ — 繊維が革に残ると見た目が悪くなる

タオル地は避けてください。

 

ループ状の繊維が革の縫い目に引っかかることがあります。

 

専用クロスを買うなら、ネル生地(起毛した柔らかい綿)のものが扱いやすいです。

 

クリーム|乳化性・デリケート・油性の使い分け

クリームは3種類あります。

 

ここを間違えると、革にシミを作ることがあります。

 

種類 特徴 向いている革
乳化性クリーム(=水分と油分を混ぜたクリーム) 保湿と栄養補給のバランスが良い。基本のクリーム 一般的な牛革、ブライドル、コードバン
デリケートクリーム(=水分が多く油分が少ないクリーム) 色が変わりにくく、繊細な革に安全 ヌメ革、明るい色の革、初めての1本
油性クリーム(=油分が主体のクリーム) ツヤと防水性が高いが、革が硬くなることも 革靴向け。財布には基本不要

財布に使うなら、乳化性クリームかデリケートクリームです。

 

油性クリームは選ばなくて構いません。

 

迷ったときの判断はシンプルです。

 

  • 色が濃い革・タフな革 → 乳化性クリーム
  • 色が薄い革・高価で失敗したくない革 → デリケートクリーム

どちらの場合も、最初は目立たない場所で試してから全体に塗ってください。

 

内側のカード段の裏など、見えない部分で色の変化を確認します。

 

防水スプレー|必要な人・いらない人

防水スプレーは、全員に必須ではありません。

 

使ったほうがいい人 無理に使わなくていい人
外で財布を出す機会が多い ほぼ室内・カバンの中だけ
雨の日も持ち歩く 天気が悪い日は持ち出さない
明るい色の革を使っている(水シミが目立つ) 濃い色で、多少の水濡れが目立たない
ヌメ革・スエードを使っている すでに防水加工された革

使う場合の注意点は2つです。

 

  • 必ず屋外か換気した場所でかける — 吸い込むと危険です
  • 20〜30cm離してかける — 近すぎるとムラになります

私が使っているのはコロニルの防水スプレーです。

 

クリームとブラシを同じメーカーでそろえているので、迷わなくて済むという理由もあります。

 

全部そろえるといくら?

初期費用の目安です。

 

価格は変動するので、幅で書いています。

 

道具 価格の目安
馬毛ブラシ 1,000円台〜
クロス 0円(Tシャツ流用)〜1,000円前後
クリーム 1,000〜3,000円台
防水スプレー 1,500〜3,000円前後
合計 おおよそ4,000〜8,000円前後

※価格は変動します。

 

実際の金額は販売ページでご確認ください。

 

なお、私が使っているコロニルは、クリームの中では高いほうです。

 

安く始めたいなら、まず馬毛ブラシとTシャツの端切れだけでも構いません。

 

一度そろえれば、クリームは何年も持ちます。

 

財布1つのために買うと高く感じますが、革靴・鞄・ベルト・名刺入れにも同じ道具が使えます。

 

そう考えると、革製品を1つでも持っている人には元が取れる買い物です。

 

100均で代用できる?できない?

結論を先に言います。

 

代用していいものと、してはいけないものがあります。

 

アイテム 100均で代用 理由
クロス ⭕️ できる 綿の布であれば問題なし
ブラシ(洋服用の豚毛など) 🔺 条件つき 毛が硬すぎるものは革を傷つける。毛先を手の甲で触って確認する
クリーム ❌ しないほうがいい 革専用ではないため、成分が革に合わない可能性がある
ハンドクリーム・食用油 ❌ 絶対にダメ シミ・ベタつき・変色の原因になる
消しゴム・メラミンスポンジ ❌ 絶対にダメ 革の表面を削り取ってしまう

節約するならクロスとブラシ。

 

クリームだけはケチらない。

 

これが私の結論です。

 

クリームは直接革に染み込みます。

 

ここで失敗すると、財布そのものが台無しになります。

 

私が実際に使っている道具

参考までに、私が使っている道具はこの3つです。

 

すべてコロニルでそろえています。

 

道具 使っているもの 用途
クリーム コロニルの革用クリーム 全ての革製品の保湿
ブラシ コロニルの馬毛ブラシ/豚毛ブラシ 馬毛=財布、豚毛=革靴
防水スプレー コロニルの防水スプレー 水シミの予防

最初の1本で迷うなら、クリームから買えば間違いありません。

 

ブラシと防水スプレーは、後から足しても遅くありません。

 

道具の1つひとつをもっと詳しく比べたい方は、専用の記事にまとめています。

 

>>革の手入れアイテムのおすすめを詳しく解説した記事はこちら

 

 

【革の種類別】手入れ方法の違い

基本の6ステップは共通ですが、革によって注意点が変わります。

 

自分の財布がどの革かを確認してから読んでください。

 

牛革(タンニンなめしとクロムなめしの違い)

牛革は、なめし(=動物の皮を腐らないように加工する工程)の方法によって性質が変わります。

 

種類 特徴 手入れ
タンニンなめし(植物の成分でなめした革) 硬め。経年変化が大きく、色が深まる 乳化性クリームで定期的に保湿。手入れの効果が出やすい
クロムなめし(薬品でなめした革) やわらかい。色や質感が変わりにくい 乾拭き中心でOK。クリームは少なめ

見分け方の目安:使うほど色が濃くなる革はタンニンなめし、買ったときの色をずっと保つ革はクロムなめしであることが多いです。

 

経年変化を楽しみたい人が選ぶ革は、たいていタンニンなめしです。

 

手入れの効果も、こちらのほうがはっきり出ます。

 

オイルドレザーは、手入れがいちばんラク

牛革の中でも、オイルドレザー(=革を作る段階でオイルをたっぷり染み込ませた革)は別枠で覚えておく価値があります。

 

芯にオイルが入っているので、外からクリームを足さなくても、内側から油分が回ってくれます。

 

そのため、日常の手入れは乾拭きだけでほぼ足ります。

 

私が7年使っているマットーネの財布がこのタイプです。

 

クリームを使った手入れを2年ほどしていませんが、夫婦で毎日使って今もきれいなままです。

 

「手入れは大事だと分かっているけど、たぶん続かない」という自覚がある方は、最初からこのタイプの革を選ぶのが現実的な答えになります。

 

牛革の手入れの実演は、こちらの動画の該当部分をご覧ください。

 

 

ブライドルレザー(白い粉=ブルームの扱い)

ブライドルレザーは、ロウ(蝋)を染み込ませた革です。

 

もともと馬具に使われていた、丈夫な革です。

 

手入れの手順は基本の6ステップと同じですが、1点だけ知っておくべきことがあります。

 

新品のブライドルレザーには、表面に白い粉が浮いています。

 

これがブルーム(=革の内部から染み出したロウ)です。

 

このブルームは汚れではありません。

 

拭き取って大丈夫です。

 

むしろ、ブラシと乾拭きで丁寧に磨くと、ロウが革になじんで独特のツヤが出てきます。

 

使っているうちにブルームは出なくなり、代わりにツヤが増していきます。

 

これがブライドルの経年変化です。

 

ブライドルに関しては、クリームは控えめで構いません。

 

もともとロウを含んでいるため、油分は足りている状態です。

 

なお、私はこのブライドルの財布を8年使いました。

 

手入れは半年に1回のペースです。

 

その結果は前半に書いた通りで、8年目で買い替えを考えるところまで来ています。

 

ブライドルは丈夫な革ですが、放っておいても平気な革ではありません。

 

ブライドルで特に効くのは、クリームよりもブラシと乾拭きです。

 

表面のロウをならしてツヤを戻す作業のほうが、効果を実感しやすいと思います。

>>ブライドルグランドウォレットのレビューはこちら

 

コードバン

コードバンは、馬のお尻の革です。

 

革の中でも特に緻密で、独特の光沢があります。

 

コードバンの手入れで、いちばん気をつけることは水です。

 

コードバンは水に濡れると、表面に「水ぶくれ」のようなポツポツが出ることがあります。

 

これは繊維が水を吸って膨らむために起こります。

 

そのため、コードバンには防水スプレーを使っておく価値があります。

 

もう1つのポイントは、クリームは本当に少量でいいことです。

 

コードバンは繊維が詰まっているため、クリームがなかなか染み込みません。

 

塗りすぎると表面に残り、ベタつきの原因になります。

 

その代わり、乾拭きの効果が非常に大きく出ます。

 

少し磨くだけで、光沢が戻ってきます。

>>yuhaku コードバン名刺入れのレビューはこちら

 

ヌメ革

ヌメ革は、染料や加工を最小限にした、革そのものに近い状態の革です。

 

手入れの難易度は、革の中でもいちばん高い部類に入ります。

 

理由はシミになりやすいからです。

 

ヌメ革で守るべきことは3つです。

 

  1. クリームはデリケートクリームを選ぶ — 乳化性クリームでも色が変わることがあります
  2. 必ず目立たない場所で試す — 一度濃くなった色は戻りません
  3. 水は絶対に避ける — 水滴1粒でもシミになります

また、ヌメ革は日光に当てると色が濃くなる性質があります。

 

これを利用して意図的に日焼けさせる「日光浴」という方法もありますが、ムラになるリスクがあります。

 

初めてヌメ革を使う場合は、使い始める前に防水スプレーをかけておくのが最も安全です。

 

型押し・エナメル

どちらも革の表面がコーティングされているため、手入れの考え方が変わります。

 

種類 手入れ方法 注意点
型押し(革に模様を押し当てた革) 乾拭き中心。クリームは少量 溝にクリームが溜まると白く残る。ブラシでかき出す
エナメル(表面に樹脂を塗った革) 乾いた布で拭くだけ 革用クリームは使わない。専用クリーナーを使う

エナメルにクリームを塗ってはいけません。

 

表面の樹脂層を曇らせる原因になります。

 

エナメルの手入れは「拭くだけ」と覚えておけば間違いありません。

 

スエード・ヌバック

起毛した革は、ここまでの手順がすべて当てはまりません。

❌ やってはいけない ⭕️ 正しい方法
クリームを塗る 専用のスエードブラシで毛を起こす
濡れた布で拭く 消しゴム型のクリーナーで汚れを落とす
強く乾拭きする 防水スプレーで汚れを予防する

クリームを塗ると、起毛が寝てしまいます。

 

一度寝た毛を元に戻すのは簡単ではありません。

 

スエードは「汚れる前に防水スプレーで守る」のが基本です。

 

手入れというより予防で勝負する革だと考えてください。

 

こんな時どうする?トラブル別の対処法

水に濡れた

最優先は「すぐに拭くこと」です。

 

  1. 乾いた布で、押さえるように水分を吸い取る
  2. こすらない(シミを広げます)
  3. 風通しのいい日陰で自然乾燥させる
  4. 乾いてからクリームで保湿する

やってはいけないのはドライヤーと直射日光です。

 

急激に乾かすと、革が縮んで硬くなります。

 

シミができた

水シミは、輪郭がくっきり出るのが特徴です。

 

軽いものであれば、シミの部分だけでなく革全体を均一に湿らせて、ゆっくり乾かすことで目立たなくなることがあります。

 

ただし、革の種類によってはリスクがあります。

 

詳しい手順は専用の記事にまとめました。

 

>>革財布の水シミを消す方法はこちら

 

傷がついた

浅い傷なら、指で軽くこするだけで目立たなくなることがあります。

 

手の脂と摩擦で革が馴染むためです。

 

それでも残る場合は、クリームを塗り込んでからブラシをかけると改善することがあります。

 

深い傷の補修方法は、こちらで詳しく解説しています。

 

>>革財布の傷を直す方法はこちら

 

カビが生えた

最初にやるのは、拭き取りではなく「換気のいい場所へ移すこと」です。

 

  1. 屋外か換気した場所へ持っていく(胞子を室内に広げないため)
  2. 乾いた布で、押さえるように拭き取る
  3. 革用のカビ取りクリーナーで処理する
  4. 完全に乾かしてから保管する

水拭きは避けてください。

 

湿気を足すことになり、かえって広がります。

 

カビの原因は、ほぼ「湿気」と「クリームの塗りすぎ」の組み合わせです。

 

再発を防ぐには保管環境を見直す必要があります。

 

色移りした

デニムのポケットに入れていて、財布に青い色が移ることがあります。

 

これは、ほとんどの場合きれいには落ちません。

 

染料が革の内部まで入っているためです。

 

軽度であれば、革用クリーナーで薄くできることがあります。

 

ただし、こすりすぎると革の色まで抜けます。

 

対策は予防に尽きます。

 

色の薄い財布は、デニムのポケットに直接入れないでください。

 

財布の手入れでやってはいけないNG5つ

やってはいけないことを知っておくほうが、失敗を減らせます。

 

1. 水拭きする

 

革は水を嫌います。

 

汚れが気になっても、まずは乾拭きから始めてください。

 

2. ハンドクリーム・食用油を塗る

 

「油分なら同じでは」と思われがちですが、別物です。

 

革用でないものは、シミ・ベタつき・変色の原因になります。

 

3. クリームを塗りすぎる

 

ベタつき、色ムラ、カビの3つが起きます。

 

薄く広く、が鉄則です。

 

4. ドライヤーや直射日光で乾かす

 

急激な乾燥は、革を縮ませて硬くします。

 

日陰で自然乾燥させてください。

 

5. 消しゴム・メラミンスポンジでこする

 

汚れは落ちますが、革の表面も一緒に削れます。

 

一度削れた面は戻りません。

 

使わない期間の財布の保管方法

しまいっぱなしの財布ほど、傷みます。

 

使わないときこそ、保管の仕方が効いてきます。

 

保管の手順は4つです。

 

  1. 中身をすべて出す — カードや小銭を入れたままだと型崩れします
  2. 乾拭きして汚れを落とす — 汚れたまま保管すると、そこからカビが出ます
  3. 不織布の袋か布の袋に入れる — ビニール袋は湿気がこもるので避けます
  4. 乾燥剤と一緒に、風通しのいい場所へ — 押し入れの奥は避けてください

避けたい保管場所は次の3つです。

 

  • ビニール袋の中(湿気がこもる)
  • 直射日光が当たる場所(色が焼ける)
  • 湿気の多い場所(カビの原因)

さらに、長期保管中でも半年に1回は取り出して、乾拭きしてください。

 

使っていなくても革は乾燥します。

 

革の種類別おすすめ早見表

自分の財布に合わせて選んでください。

 

革の種類 クリーム ブラシ 防水スプレー
牛革(タンニンなめし) 乳化性クリーム 馬毛 あると安心
牛革(クロムなめし) 乳化性クリーム(少量) 馬毛 任意
ブライドルレザー 乳化性クリーム(控えめ) 馬毛 任意
コードバン 乳化性クリーム(ごく少量) 馬毛 推奨
ヌメ革 デリケートクリーム 馬毛 推奨
型押し 乳化性クリーム(少量) 馬毛 任意
エナメル 使わない 使わない 使わない
スエード・ヌバック 使わない 専用ブラシ 必須

道具それぞれをもっと詳しく比較した記事も用意しています。

 

>>革の手入れアイテムのおすすめを詳しく解説した記事はこちら

 

手入れする価値のある財布とは

最後に、手入れの話の延長として1つだけ。

 

手入れをして「変わる財布」と「変わらない財布」があります。

 

ここまで書いてきた手入れは、革が育つ財布ほど効果がはっきり出ます。

 

逆に言えば、コーティングの厚い革や合皮では、どれだけ手入れをしても見た目は変わりません。

 

手入れのしがいがある財布には、共通点があります。

 

  • タンニンなめしの革を使っている — 使うほど色とツヤが深まる
  • 革が厚い — 薄い革は経年変化の前に傷んでしまう
  • 縫製がしっかりしている — 革が持っても糸がほつれては意味がない

記事の前半で紹介した2つの財布が、まさにその差でした。

 

半年に1回クリームを入れていた財布が8年で処分を考えることになり、クリームを2年サボった財布が、夫婦で毎日使って7年経ってもきれいなままです。

 

手入れの回数ではなく、革そのものの差です。

 

だからこそ、最初に選ぶ1本が効いてきます。

 

手入れがラクな財布は、そもそも革の段階で決まっているということです。

 

たとえば、コードバンを使ったGANZOの二つ折り財布は、乾拭きだけで光沢が変わる革です。

 

手入れの手応えを感じやすいタイプだと思います。

 

>>GANZO コードバンLファスナー二つ折り財布のレビューはこちら

 

キプリスも、革の質と縫製のバランスが取れたブランドです。

 

価格帯と実際の評判については、こちらでまとめています。

 

>>キプリス財布の評判と口コミはこちら

 

手入れの道具をそろえるくらい財布に愛着があるなら、次に買う1本は「育つ革」を選ぶ価値があります。

 

同じ5年でも、ただ古くなる財布と、味が出る財布ではまったく違うものになります。

 

>>革の経年変化が見れる財布のレビュー記事 一覧はこちら

 

よくある質問

Q. クリームをつけ過ぎたらシミになりませんか?

 

多少つけすぎても、ブラシで落とすか乾いた布で拭き取れば、だいたい戻せます。

 

むしろ革が乾いている状態のほうがシミになりやすいです。

 

ただし、放置すると色ムラとして残ることがあるので、気づいたらすぐ拭き取ってください。

 

Q. 柔らかい布は何を使えばいいですか?

 

着なくなった綿のTシャツで十分です。

 

私も、Tシャツを切ったものを使っています。

 

Q. クリームは何を使えばいいですか?

 

必ず革専用のクリームを使ってください。

 

食用油や化粧品のクリームは、シミやベタつきの原因になります。

 

革専用のものは保湿成分が調整されているので、仕上がりがまったく違います。

 

Q. 買ったばかりの新品も手入れしたほうがいいですか?

 

はい。

 

使い始める前に1回やっておくのがおすすめです。

 

最初に保護膜を作っておくと、初期の水シミや汚れを防ぎやすくなります。

 

Q. 手入れをしすぎて失敗することはありますか?

 

あります。

 

いちばん多いのがクリームの塗りすぎです。

 

ベタつき・色ムラ・カビの原因になります。

 

「少し足りないかな」くらいの量から始めてください。

 

Q. 何年も放置した財布でも、今からで間に合いますか?

 

ヒビが入る前なら、十分に間に合います。

 

まずはブラシでホコリを落として、乾拭きしてから、少量のクリームを塗ってみてください。

 

革が水を吸うようにクリームを吸い込む場合は、かなり乾いていた証拠です。

 

実際、私が7年使っているマットーネの財布も、クリームを使った手入れは2年ほどしていません。

 

それでも問題なく使えています。

 

手遅れかどうかは、年数ではなくヒビの有無で判断してください。

 

まとめ

財布の手入れで押さえるポイントは3つです。

 

  1. 頻度は2〜3ヶ月に1回。日常は乾拭きだけで十分
  2. 道具は馬毛ブラシ・綿の布・革用クリームの3つがあれば始められる
  3. 6ステップで5分。時間がなければ3分の簡易ケアでも効果はある

そして、いちばん大事なのは続けられるペースでやることです。

 

私自身、クリームを使った手入れは半年に1回だったり、2年空いたりしています。

 

それでもブライドルの財布は8年、マットーネの財布は7年使えています。

 

完璧を目指して何もしないより、乾拭きだけでも続けるほうが確実に長持ちします。

 

クリームは薄く、広く。

 

これだけ守れば大きな失敗はしません。

 

手入れをした財布は、ただ長持ちするだけではありません。

 

使うほどに色とツヤが深まって、自分だけの1つになっていきます。

 

まずは、今持っている財布を布で拭くところから始めてみてください。

 

わからないことがあれば、この記事のコメント欄かメールフォームからご質問ください。